依頼者のための法律講座

賀川法律事務所の依頼者のための法律講座ブログです。

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刑事弁護について

最近、刑事事件の弁護人をしておいて思うことは、取調べ(警察署や検察庁に呼び出され、事情を聴かれ、聴取の内容を書面化し、その書面に署名押印すること)の内容がブラックボックスということです。

任意捜査(逮捕されていない場合)は、取調べ受忍義務(取調べに応じる義務のこと)がありませんので、いつでも退席できますし、帰ることもできます。

また、接見交通権がありますので、いつでも、弁護人に意見を求めることができます(取調べを中断し、弁護人に電話するなど)。

これを警察官が妨害しようとした場合、接見交通権の侵害となる可能性があります。

 

さらに、ブラックボックスであることをいいことに、警察官による高圧的な取調べがまかり通っているようにも思います。

取調べに関しては、密室で行われ、かつ警察署という国の施設で行われるものですので、取調べをされる側や弁護人にはなんの証拠も残りません。

警察官が取調べの様子を記録していることもなく(取調べの可視化対応事件を除く)、第三者から取調べの評価をすることは困難を極めます。

そこで、当事務所がおすすめする方法は、取調べの際、小型のビデオカメラやICレコーダーを持ち込み、取調べの様子を録画することです。

これにより、第三者が客観的に取調べの様子を評価できることになります。

取調べの様子の録画は、警察官による取調べ方を明らかにするだけではなく、どのようなことを聞かれたのか、捜査機関がどのような証拠を持っているのかなど、多くの情報が含まれており、弁護人の活動を大いに手助けしてくれるものです。

 

万が一、取調べの際、警察官から所持品検査をされそうになった場合、拒否できますので、明確に拒否してください。

取調べを録音することは適法ですので、ICレコーダーの提出を求められても応じる必要もありません。

 

警察官に呼び出された際には、ICレコーダーを持参してもらい、取調べを録音してもらえたらと思います。

公安委員会からの呼び出しについて

賀川法律事務所の弁護士加藤高明です。

最近、公安委員会から呼び出し通知が来た、どうすればよいのか、といった相談が増えています。(法的には意見の聴取といいます。)

まず、どのような理由で呼び出されたのかを確認してください。

例えば、安全運転義務違反、酒気帯び(25点)などという記載があると思います。

安全運転義務違反とは、事故などがあった場合に就けられるもので、酒気帯びは、中アルコール濃度が、1ミリリットル中0.3ミリグラム、又は呼気1リットル中0.15ミmg以上のアルコール量が検出された場合をいいます。

いずれも、公安委員会の前に、警察から呼び出しがなされているはずです。

警察からの呼び出しの際、何を聞かれるか、が大切です。

皆様に身に覚えのない場合、必ず、はっきりとやっていません!と言ってください。

それでも、警察は、自身らが考えている犯罪をやっているだろうと、自白を迫ってきます。(認めさせようとしてきます)

そのため、事故に遭った場合や、警察の呼び出しがあった時点で、弁護士に連絡していただけると今後の流れを含めてベストなアドバイスができます。

警察の取調べでは、録音することをお勧めします。

なお、公安委員会から通知が送られてきてからでも、不処分になったり、点数よりも低い行政処分(免許取消が免許停止になる等)がされる可能性もあります。

免許をあきらめる前に、まずは、当事務所までご連絡いただけすと幸いです。

福島原発事故の被災者支援活動について

当事務所所属弁護士らは、岡山原発被災者支援弁護団に加入しております。

現在、弁護団では、第1次提訴をし、夏頃、初回の口頭弁論期日が開かれる予定です。

また、弁護団では、訴訟の外にも、東京電力に対する原発ADRの申立ても行っております。

原発被災者の方々の苦労を金銭に評価し、東京電力に対して、請求しておりますが、ADRという紛争外手続の特性から、なかなか被災者の声が届いていない現状があります。

ADRで認められない範囲の損害については、訴訟において東京電力及び国に請求しております。

原発事故に関するの他の事件につきましても、岡山原発被災者支援弁護団においては、対応しておりますので、お気軽にご連絡ください。

みどり法律事務所
 弁護士 安 田 祐 介
〒700-0807
岡山市北区南方1-7-21
TEL:086-234-0008
FAX:086-234-0109
Mail:midori-yasuda@midori-law.jp
までお願いします。
(受付時間:平日9:00~17:30)

自力救済の禁止

「自力救済」。聞きなじみのない言葉だと思います。司法手続きを利用することなく、自身の力で強制的に権利を実現することをいいます。

お金の貸し借りによるトラブル
返済がなくても勝手に金品奪うと違法

例えば、友人にお金を貸したり、物を売ったりしたとします。しかし、弁済期(返す合意の日、または支払い日)が来ても、友人はいっこうにお金を支払ってくれません。お金を貸している人は「お金を貸している自分が債権者であり、友人に金銭を請求する正当な権利がある」と、友人の態度に不満を募らせるでしょう。そのような状況でまどろっこしくなり、「口で言ってもだめならば」と次の行動に出ることにしました。友人宅を訪れ、本人の承諾なしにお金の代わりになるような金目の物を持って帰ったのです。これは窃盗罪(刑法235条)であり、住居侵入罪(刑法130条前段)にも当たる可能性があります。さらに、友人が帰るよう促したにもかかわらず帰らなかった場合、不退去罪(刑法130条後段)にも該当する恐れがあります。

個人で他人の財産差し押さえは禁止
裁判所が許可した場合に限り強制執行

これらの行為が、なぜ犯罪になるのでしょうか。問題は、司法手続き(裁判所)を通さずに、個人の力で他人の財産をその意思に反して取得している点にあります。日本は法治国家なので、他人の財産を強制的(その意思に反して)に取り上げる場合、裁判所命令が必要になります。

警察も、国民の財産を強制的に差し押さえる場合、基本的に裁判所の令状により行っています。つまり、裁判等によって、裁判所が適法に他人の財物を強制的に取り上げてもよい、と許可した場合に限り、強制執行という手続きにより他人の財産を強制的に取り上げることができるというわけです。

自己判断でなく弁護士に依頼を

もしこのような事態に直面した場合、自分で判断することなく、まずは弁護士に相談してください。弁護士は、当事者の話を聞いて証拠関係を精査し、裁判での勝訴見込みをお伝えします。もっとも、証拠の不足等により弁護士が難しいと判断することもあります。

 

山陽新聞レディアホームロイヤー(H25.9.25)

 

扶養義務者間における扶養費用の請求

Q:私は長年、母の面倒を見てきました。一方、私の兄弟は、母のために一度も援助してくれたことはありません。もちろん母の面倒を見ること自体に不満があるわけではないのですが、母の扶養について兄弟に負担を求めることはできないのでしょうか。
A:他の扶養義務者に「求償請求」できる

 収入や財力などの事情考慮し金額決定

民法877条第1項は「子が親を扶養する義務」を定めています。それゆえ、子が親の面倒を見ることは法律上の義務でもあるといえます。もっとも、その義務は、扶養義務者間において平等に負担すべきと考えられています。

一人の扶養義務者が、負担分を超えて扶養した場合には、他の扶養義務者に対して、過去の負担分を超えて負担した扶養料について請求すること(求償請求)ができると考えられています。しかし「求償請求」とは、例えば二人兄弟の兄が母親のために100万円を扶養料として負担した場合に、その半額の50万円を弟に請求できる、といった単純なものではありません。実際の請求では、扶養義務者の資力(収入や財産)等の一切の事情が考慮されて請求額が決定されることになります。

この問題は、家族間の問題であるため、話し合いで解決することが望ましいのは確かですが、話し合いで解決できない場合には、家事審判という裁判所を介しての手続きで解決する必要があります。当事者同士の話し合いでの解決が困難な場合には、一度弁護士に相談し、家族全員にとってより良い解決を目指すことをお勧めいたします。

(山陽新聞レディア2013.8.7)